令和元年10月25日(金) SKIPシティ 彩の国ビジュアルプラザ 映像ホールにおいて令和元年度川口新製品等開発振興奨励制度奨励金交付式が行われ、当公社の理事長である奥ノ木市長から奨励対象提案者に奨励金と同交付書が手渡されました。交付式は、当日から開催された「川口市市産品フェア2019」の中で行われ、多数の入場者の注目を集めました。
本制度は1985年(昭和60年)から実施しており、今回で36回目を迎え、この間、数々の優秀な提案を奨励して参りました。本年度もアイデアあふれる優秀な提案の中から、先行技術調査及び2回にわたる厳正な外部審査員による審査を経た結果、以下の5件の提案が奨励対象提案に選出されました。
「下肢装具にも履けるスタイリッシュな靴」
布施田 祥子 (Mana’olana) 奨励金30万円
下肢装具とは病気や事故後、障害が残った人が歩行の為に足に装着する装具のことです。この装具を付けて履ける靴は、安全性、機能性だけを重視したオシャレとはいえない物が多いようです。この提案は、当事者目線の新しい発想で、デザイン性を重視しながらも片手でも脱ぎ履きしやすいように機能性も考慮して作られています。障害者だけでなく健常者にもオシャレでカッコいいと思ってもらえる靴を目指してデザイン、製作を行っています。
「ジェルネイルに用いるスペーサ」
疋田 千広 (Cieleonnail) 奨励金30万円
ジェルネイルは美しいネイル作りには必需品ですが、爪に強固に結合しているため、剥がす時にはジェルネイルの切断や、グラインダーで削るなど安全性に問題があります。このスペーサは、ジェルネイルを塗る時に爪とジェルネイルの間に挟むもので、施術後のジェルネイルの除去を容易にします。剥がす時は、ジェルネイルの一部を切り取り、スペーサを露出させ、露出部から除去液を浸み込ませることで楽に除去できます。
「自吸サイホン式雨水排水システム(Self-Priming Syphonic System) 呼称:SPSシステムの大口径化」
㈱長谷川鋳工所 奨励金10万円
サイホン式雨水排水システムは、従来のものに比べサイホンの効果により排水効率が飛躍的に高まります。従来方式は、排水立管の中を空気と水が混在した不安定な流れになりますが、サイホン式は排水立管の中を満水状態で流れるため、流速が5~6倍になります。このシステムを使用すると、配管の口径が小さくでき、使用数量も減らせコスト削減ができます。提案は、サイホンを発生する装置の大口径化で、さらなる効率アップを図るものです。
「ドローンの機体安定化機構の開発」
石川 誠司 (SETo研究所) 奨励金5万円
一般的なドローンは回転翼と胴体部の接合部にねじれを生じると制御の応答性が悪くなるため、剛性の高い堅牢な構造で作られています。この提案は、ドローンの機体と回転翼部をつなぐアームに緩衝装置を設けることにより、柔軟性を高め、着陸時にかかる機体への負荷を低減し、機体の操縦性を高めることができます。
この提案は、平成31年4月に特許を取得しており、実際に装置を搭載した試作ドローンは良好に飛行しました。
「車椅子階段降下装置」
NPO法人 介護サークルかがやき 奨励金3万円
非常時に階上の車椅子利用者(要介護者)を室内階段や非常階段を介護者一人で安全に降下する装置です。
可能な限り軽量化した台車に、左右一体のベルトコンベアとブレーキを装備し、階段を介護者一人で降下することを想定して設計しました。停電時にも介護者一人で操作できるので、介護所などへの配備に適しています。